U-Maの音楽館
MONTBLANC
MONTBLANC(モンブラン) ドイツ
スイスのリシュモングループが所有するドイツの筆記具ブランド。1906年、ハンブルクの文房具店主と銀行家、ベルリンのエンジニアの三人によって万年筆の製造を開始(当初はシンプロ・フィラーペン・カンパニー)。1924年には代表作であるマイスターシュテュックを発売、1934年からは社名をモンブラン・シンプロGmbHと改称した(それ以前からアルプス最高峰であるモンブランをブランドイメージとしたロゴを使用していた)。日本に輸入されると、文筆業を生業とする人達に広く受け入れられた。頑丈で壊れにくいという特性と、インクフローの良さ、調整のしやすさも一因だったようだ。作家ら御用達のブランドとして一躍その名を高め、日本において万年筆のトップブランドという地位を獲得。現在でも東アジア一帯では万年筆の最高峰と目されているようです。
そのモンブランも、1980年代、ダンヒルに買収され、1993年にはダンヒルがリシュモングループに買収されたことで、リシュモン傘下のブランドとなりました。その頃からモンブランは大きく方向転換。エントリーモデルを切り捨て、高級路線にシフトすると共に、筆記具よりもむしろ腕時計、革製品、フレグランスなどが中心となっていきます。また、輸入筆記具協会を脱会し、モンブランのブランドイメージに相応しい売り場作りを要求。事実上町の万年筆屋さんを切ってしまいました。それはブランドの方針としては一つの正解ですし、私が批判することでもないのですが、オールドファンからすれば釈然としない面もあったようですね。
MEISTERSTUCK SOLITAIRE #144(マイスターシュテュック ソリテール144) 生産終了品
18Kニブ、嵌合式キャップ、両用式
マイスターシュテュックは、アルプス最高峰・モンブランの標高である「4810」がニブに刻まれている、モンブランの代表作。黒い(以前はボルドーもあった)上質な樹脂の軸に金やプラチナで装飾した、いかにも万年筆らしい風格を持つ。手帳サイズの114(カートリッジ専用)、手頃なサイズのクラシック(145、両用式)、大柄なル・グラン(146、吸入式)、特大サイズの149(吸入式)があるが、144は145の前身となるモデルで、既に廃番となっています。大きな違いは145はネジ式キャップで、144は嵌合式キャップである点です。マイスターシュテュック ソリテールは、より装飾的なモデルですが、基本的な造りやサイズはマイスターシュテュックとほぼ同じです(ニブは18Kが用いられる)。
モンブラン マイスターシュテュック ソリテール #144 ドゥエ ステンレススチール 細字 万年筆
艶々した黒い樹脂の胴軸、首軸と、ステンレスのキャップという組み合わせで、そんなに装飾的でもないですが、上質感は伝わってきます。その点はさすがモンブランと言ったところですかね。そしてモンブランの特徴である潤沢なインクフローで、すらすらと書ける筆記感。モンブランの醍醐味を味わうなら149なのでしょうが、144でもモンブランの良さは十分に伝わって来るのではないでしょうかね。ただ、モンブランの万年筆はもはや、由緒正しき庶民である私の手の届きにくい価格帯のみで、それほどのお金を支払うなら、国産のもっと上級な物という選択の方が賢明だと思います。無理してでも買うならそれこそ奮発して149やル・グランでしょうね。この万年筆は某カメラ屋さんで叩き売り(?)していたのに飛びついてしまったもので、値札通りの価格だったら買っておりません(笑)。モンブランを購入するなら銀座のブティックで・・なんて思っていましたが、ついつい価格に惹かれて・・。もちろんこれは、並行輸入品でございます。今のモンブランジャパンは、あそこには卸さないでしょうから。