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DIPLOMAT


DIPLOMAT(ディプロマット) ドイツ

 ディプロマットは1922年にドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州ヘンネフという町に、高級筆記具メーカーとして誕生しました。設立当初から精密な職人技と最高の品質をモットーとし、小売を重視した展開をしていたようです。1958年にドイツ市場で初めてカートリッジの万年筆を導入した事でディプロマットの名は広まり、一流ブランドへと成長していったようです。2008年に、ロゴやクリップの形状などを大きく変更し、伝統の中にもモダンな要素を織り込んだデザインに生まれ変わりました。日本に上陸してまだ日が浅いため、知る人ぞ知るメーカーという立ち位置ですが、これから知名度が上がっていくかもしれません。


EXCELLENCE-A(エクセレンスエー) お勧め品
14Kまたはステンレスニブ、嵌合式キャップ、両用式

 ディプロマットのフラッグシップモデルで、2019年からEXCELLENCE-A2として販売しておりますが、外観上どこが変わったのかよく分からない。従来あったモザイク模様のローマが廃番となり、新色が追加されましたが、大きく変わったのが商品構成。これまで万年筆は全く同じデザインで14Kバイカラーニブとステンレス単色ニブの両方を出していましたが、A2に変わった後は、ステンレスニブが廃番になっています。

 重厚感の中にモダンのエッセンスを加えた魅力的なデザインで、オン・オフを問わず使えますし、見栄えも良いため、サイン用としても使えます。キャップトップにはインクの雫を花びらのように配したロゴマークが付いており、これがオシャレで可愛らしいです。クリップの先端部にも、雫型の穴が開いています。派手さはないですがさりげなくオシャレで、私としては割と好みのデザインです。


        ディプロマット エクセレンスエー ミッドナイトブルー 万年筆 細字

 太めの金属軸で、重量はコンバーター・インク込みで44gと重めの万年筆ですが、バランス良く、そんなに重いとは感じません。ニブはやや大きめですが、ハート穴はなく、硬め。でも書き味はサラサラで、当たりはそこそこ柔らかく感じます。ハードに使い倒す事もできますし、ゆったりと日記をしたためるのにも向くでしょう。私よりもはるかに多くの万年筆をお持ちの方(でもディプロマットは持っていない)に使ってもらいましたが、「書きやすいですね、これ」と仰ってました。もちろん使い慣れた方だからこそ、割と重いエクセレンスエーを最初から使いこなせたのだとは思いますが、やや太軸・重めの万年筆が好みの方には合うと思います。

 軸にライン加工などが無く、単色ラッカー塗装のタイプは、ペリカン スーベレーンM400と同価格帯。全く方向性が違うので比較にはなりませんが、重めの金属軸で金ニブというスペックの万年筆としては、割と手頃でしょう。また、M400は初めての万年筆としても向きますが、エクセレンスエーは、ある程度万年筆に慣れた人向きだと感じます。同価格帯のアエロは飛行船をイメージした面白いデザインではありますが、仕事などで使うのであれば、エクセレンスエーの方が向いていると思います。