U-Maの音楽館

MONTE VERDE


MONTE VERDE(モンテベルデ) アメリカ
 
 アメリカで筆記具を製造販売する傍ら、ヨーロッパの高級筆記具を輸入販売しているYAFAペンカンパニー(デルタ社のアメリカ総代理店だった)が、2001年に立ち上げた新ブランド。そのコンセプトは装飾品として楽しめ、なおかつ実用的な筆記具を、リーズナブルな価格で提供すること。そのため万年筆は特別生産品を除き全てステンレスニブの商品ですが、思いの外書き味良好で、軸色は好みもありますが凝った物が多く、価格も日本円で1万円台前半まで。まだまだ日本での知名度は高くないですが、嶋田イチ押しメーカーの一つです。もちろん超高級万年筆を何本もお持ちの方にはお勧めしないですけど、安くて良いのない?って聞かれたら国産品を紹介し、軸が気に入らないならばじゃあモンテベルデは?って感じかな。日本で販売している万年筆は基本的に細字のみ(一部のモデルは中字のみ)。バリエーションは少ないですが、本国では細字、中字、太字、スタブというラインナップのようで、日本向けは一番需要の多い細字のみに絞っているのでしょうか。太字好きには不満でしょうが、そうする事で店頭在庫を抑えられるというメリットはあると思います。なお、ブランド名はYAFAの経営者名・グリーンバーグをイタリア語にしたということだそうです。この方はとてもイタリア好きだとか。


MOUNTAIN OF THE WORLD(マウンテン・オブ・ザ・ワールド) 生産終了品
ステンレスニブ、ネジ式キャップ、両用式

 モンテベルデはイタリア語で緑の山。ロゴにも山の形がデザインされていますが、その最上位品も山。世界の名峰K2、フジ、キリマンジャロ、そして2016年に追加されたデナリ(マッキンリー)というラインナップです。K2はグレーと青のマーブル模様、フジは黄、茶、緑、青、白のストライプ模様、キリマンジャロはブラウン系と白のマーブル模様、デナリは青と白のマーブル模様です。ただ、アメリカのYAFA Penのサイトでは、デナリ、エヴェレスト、ヴェスヴィオというラインナップになっているので、フジはもう生産していないのかも。あるいは日本限定とか。

 富士山というと、青い山体に白い雪の冠というイメージですが、黄色と茶色は土、緑は樹海の色を表しているのでしょうか。日本人の持つイメージとは違うような気もしますが、これはこれで面白い色使いです。興味がありながらもなかなかお目にかかれなかったのですが、ある店でついに見つけ、購入しました。どうやらその日までモンテベルデのフェアをやっていたみたいで、モンテベルデがずらっと並んでいたのです。


         モンテベルデ マウンテンオブザワールド フジ 万年筆 細字

 ニブはステンレス製の細字のみですが、サイズは非常に大きい。ステンレスですから大きくしてもそんなに材料費は変わらないでしょうが、こんなに大きなステンレスニブは、他社ではあまり見かけません。この大きさの効果なのか、それともインクフローが良いためか、あまりしなりのないニブなのに、タッチはとても柔らかく感じます。これほど柔らかなタッチのステンレスペンはなかなかありません。新しいブランドですが、リーズナブルな価格と品質、書き味の良さで、徐々に浸透してきています。ただ、この万年筆、ボトルインクを吸入すると首軸先端の口金と樹脂の隙間にインクが入り込んでしまうようです(この個体だけかもしれませんが)。実用上は問題ないですが、洗浄するとここからいつまでもインクが染み出してきます。それが嫌ならカートリッジインクを使用するか、コンバーターを外して直接吸入した方が良さそうです。

 この他に、ジュエリア、プリマなどの面白い軸色の万年筆があり、軸の好みで選ぶと良いでしょう。少なくともマウンテンオブザワールド、ジュエリア(ミニを除く)、プリマのニブは同じ物です。カラフルすぎるので自宅用が無難でしょうが・・。