U-Maの音楽館

MONTEGRAPPA


MONTEGRAPPA(モンテグラッパ) イタリア

 モンテグラッパは1912年にイタリアのベネト州バッサーノ・デル・グラッパで、イタリア初の万年筆を製造したメーカーとして知られています。1920年代にはセルロイドを使った筆記具製作所となり、1930年代にはモンテグラッパの象徴である八角軸のペンの製造を開始しています。社名が正式にモンテグラッパとなったのは1978年のことだそうです。アキュラの傘下となり、2000年には一旦リシュモングループに入りますが、2009年にはアキュラ傘下に戻っています。軸の美しさには定評があり、ライティングジュエル(書く宝石)と称されるほど。イタリアらしい華のある筆記具を世に送り出しています。2019年のカタログにはウォリアーズ サムライという限定品が載っており、甲冑を身につけた侍を象った万年筆で、シルバーは170万円、そしてソリッドゴールドは1850万円。誰が買うんだって話ですが、時々とんでもない物を出してきます。ただ、2021年版の輸入筆記具協会カタログから、モンテグラッパの名が消えてしまいました。今のところ正確な情報は掴んでいませんが・・。他にもコンクリン、ステッドラープレミアムが消えております。

 ちなみにバッサーノ・デル・グラッパという町の名はグラッパ山(モンテグラッパ)という山の下にある町という意味で、グラッパ(ブドウの搾りかすを発酵、蒸留して作るブランデーの一種)の名産地として知られています。


NEROUNO(ネロウーノ) 生産終了品
18Kニブ、ネジ式キャップ、両用式

 ドゥカーレ ムラーノ、フォーチュナ モザイク、フェリチータなど、美しい軸色が魅力のモンテグラッパですが、ネロウーノは、ネロと言うだけに黒軸しかありません。艶々した黒い樹脂(プレシャスレジン)軸に銀色装飾というシックな色使いですが、八角形の軸はモンテグラッパの伝統を継承し、天冠部分のデザインは、シックな中にも遊び心があり、イタリアらしさもしっかりと感じられます。ちなみにこの銀色は白金メッキだそうです。パッと見るとちょっと変わった形の黒銀の万年筆。でもよく見るとさりげなくオシャレで、樹脂の光沢やメッキ部分の輝きが違い、高級感が漂う。そんなイメージですかね。ずっと欲しかった万年筆で、新品なら百貨店や老舗文具店には普通に置いてありますから手に入りやすいですが、中古品となるとあまり入荷しないですし、割と早く売れてしまいます。たまたま状態の良さそうな物が翌日まで残っていてラッキーでした。


        モンテグラッパ ネロウーノ ブラック 万年筆 細字

 写真ではスリムに見えますが、やや大きめ、太めの軸です。重量は32gほどありますが、バランスはとても良く、扱いやすい万年筆です。この手の高級品はニブを誇らしげに大きくする傾向にありますが、ネロウーノの18Kニブは、細くエラの張らない形状で、かなり独特です。ハート穴はありませんが、少し撓りがあり、書き味はなかなか柔らかいですし、滑らかです。ただし、販売店の方曰く、この個体はかなり出来の良い物のようです。結構ばらつきはあるようですので、注意して下さい。まあ、イタリア製らしいと言えばそれまでですが、ばらつきが少なく、全部の個体がこのように滑らかならお勧めしたいところなのに・・・と思ってしまいます。でも、たまたま入荷の翌日まで残っていた物が大当たりの個体だったということで、本当に掘り出し物でした。日頃の行いが良いためか(空耳)、当たり品を掴む事が結構多いです♪

 ネロウーノの派生モデルとして、マットレジン(ブラック)の軸を丁寧にライン処理し、ルテニウムで装飾したネロウーノ リネア(金属部分が黒っぽくなり、より精悍な感じ)と、ルテニウムでなくレッドゴールドで装飾したネロウーノ リネア レッドゴールドがあります。好みにもよりますが、私はこのプレシャスレジンと白金装飾のタイプが好きですね。価格的にもこれが一番安いですし。でも、残念ながらネロウーノシリーズの万年筆は、2020年のカタログから抜けてしまいました。少なくとも日本での取り扱いは終了となった模様です。