U-Maの音楽館

KAWECO


KAWECO(カヴェコ) ドイツ

 カヴェコは1883年ドイツで創業された老舗メーカーでした。二人の創業者、KochとWeberから、Kawecoと名付けられたようです。シンプルながらも機能的な筆記具を次々と開発してきましたが、残念ながら1976年に倒産してしまいます。ところが1995年カヴェコの名を冠した筆記具が復活し、現在まで販売されております。それはドイツのニュルンベルクにあるGutberler Gmbh社により復刻された物で、良い物は時代を超えて愛されるということなのでしょう。カヴェコの大きな特徴は、ペン先の交換が可能なこと。ステンレスの銀色、金色、黒と14Kのニブが用意されており(ただし交換ニブの販売は行っておらず、認定されたショップで交換してもらうことになります)、字幅の変更だけでなく、ステンレスニブを金ニブに替えることも可能です。


KALLIGRAFIE KIT(カリグラフィーキット)
ステンレスニブ、ネジ式キャップ、カートリッジ式

 本命はシェーファーのカリグラフィーマキシキット(ペン先・軸ともに3本+20色のカートリッジインク付き)でしたが、これは店頭でもあまり見ない。現行品なので取り寄せは可能なのですが、確かアメ横に置いてあったなぁ・・と思い、行ってみたら売り切れていた。そこで他の物を物色し、ラミー ジョイのキットとカヴェコのキットを発見。ラミーはペン先3本に軸1本、カヴェコはペン先4本に軸1本で、交換用ペン先に付けるためのシリコーンキャップらしき物が付いている。シェーファーのマキシキットは軸が3本なので3本同時に使用することが可能。それは大きな魅力だったのですが、カヴェコもシリコーンキャップを使えばとりあえずインクを刺したまま保管が利きそう。しかも2.3mmの極太を含む4本というのが魅力で、結局これをゲットしてしまいました。インクは6本入りが2箱と、胴軸の中にも1本(全て黒インク)入っています。


KAWECO カリグラフィーキット 1.1mmは最初から軸にセットされている。

 横の太さが1.1mm、1.5mm、1.9mm、2.3mmの4本セットで、他メーカーは2.3mmを除いた3本のセットが多いようです。1.1mmは扱いやすいのですが、縦線が細くてあまりカリグラフィーという感じではない。一方で2.3mmは思いっきりカリグラフィーですが、横幅全体にインクを供給するのには少々こつが要りそうですので、今のところインクは入れず、ペン先に水を付けて水筆紙に書いて練習中。常用しているのは1.5mmと1.9mmの2本ですが、もちろん2.3mmもそのうち正式にインクを入れたいと思っています。

 カリグラフィーペンなので、そもそも書き味には期待していません。上手く飾り文字が書ければ良いという感じで、結構満足して使っています。実際仕事で飾り文字を書くということはなく、完全に遊び用なのですが、なかなか面白いです。なお、公式にはカートリッジ式ですが、軸部分はクラシックスポーツと全く同じなので、クラシックスポーツ用のミニコンバーターが合うはずです。


CLASSIC SPORT(クラシックスポーツ)
ステンレスニブ、ネジ式キャップ、両用式

 1930年代に発売されたカヴェコを代表するペンで、1972年のミュンヘンオリンピックでは公式ペンとして認定されました。シンプルな外観ですが、機能性、携帯性の良い万年筆です。かなり小さな万年筆ですが、キャップをペン尻に挿すと十分な長さになります。また、この万年筆にはクリップが付いていないのですが、ちゃんと別売で用意されていて、これを扱っているお店で購入することができます。

 字幅はM(中字)のみですが、国産の中字とほぼ変わらない感じで、これはかなり意外でした(私が買った個体が細いのかもしれませんが)。硬いニブですがインクフローはまずまず良く、引っかかりもなく滑らかですので、比較的安価な割には良くできています。前項のカリグラフィーペンと一緒にペンケースにそのまま突っ込み、持ち歩いて使ったりしています。なのでクリップは付けておりません。


        カヴェコ クラシックスポーツ ブラック 万年筆 中字

 それとこれ、写真を見れば一目瞭然ですが、カリグラフィーキットに付いている軸と全くの同型。なのでカリグラフィーペンを2本使いたい時は、このペン先を外してカリグラフィーペンに付け替えて使います。まあ、最初からそれを狙って購入したのですが、結構活躍しています。クラシックスポーツの別売ミニコンバーターは、小さくて、注射器のようにつまみを引っ張って吸入するスタイルですが、実はこれ、ヨーロッパサイズカートリッジ専用と謳っている多くの万年筆に入れることができるようです。

 クラシックスポーツは樹脂軸でかなり軽い万年筆ですが、同型でアルミニウム軸のALスポーツは倍くらいの重さになりますので、好みで選んでも良いでしょう。他にも小さくて可愛いリリプットなど、個性的なペンを造る会社です。なお、クラシックスポーツはニブ交換が可能ですが、クラシックスポーツ用として公式に出ているのはステンレスニブのみだということです。