U-Maの音楽館

No.101-110



No.101 秋の並木道


Allegretto ハ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第70期投稿作品>


 70期のお題には難儀しました。とにかくもう、お題をどう使うかが全く浮かばず、メロディーでも使いづらいし、ベースの動きとして使うのもイマイチ浮かばないし、という感じだったのですが、ある時、テンポを速くして再生したら使えそうだったので、最後の音以外を8分音符に変更して、旋律として使いました。

 Aメロがハ長調、Bメロがイ短調で現れますが、初期はBメロがホ短調でした。しばらくその状態で続けていたのですが、進めていく内に調性感覚が破綻してきたため、Bメロをイ短調に変え、Aメロの再現はイ長調。その後嬰ヘ短調で推移して、再びイ長調、最終的にはハ長調に戻すということで、何とか調性感覚が麻痺しないよう作れました。

 ジャズギター、エレキベース、ドラムス(ジャズキット)を骨とし、キーボード3つ(Bowed Pad、Odin、チェレスタ)加えました。最初はチェレスタ無しでしたが、中間部で行き詰まったのを打開するために、あの音型を入れたので、これはチェレスタだろうということで、急遽加えました。OdinはYAMAHAの音源にある、弦のようでいて、より軟らかで、立ち上がりの遅いシンセサイザー音です。音が遅れて立ち上がることで、何でもない分散和音が、少しずれて聞こえ、独特の雰囲気を出しています。異なる音源ではこの音がすごくうるさく聞こえるかと思います。

 曲名の由来は、爽やかな季節を連想させるギターのメロディーと、木の葉が散るようなチェレスタの音型からの連想です。いつものように、最初からこのイメージで創ったわけではありません。





No.102 Intermezzo #2


Andante-Allegro assai-Adagio-Tempo I イ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第71期投稿作品>


 このお題にも難儀しました。どうもこのお題、私にはフォスターのBeautiful Dreamerのイメージがつきまとい、非常にやりにくかったです。弦楽合奏の形式で・・というのはすんなり決まり、お題を使った最初の部分も自然に出てきましたが、それ以降の展開が全く浮かばず。苦肉の策としてアップテンポにしてドラムスを入れ、アドリブっぽくチェンバロを鳴らし、ごまかしまくりました。もういい加減の極致です。そして開き直って、最後の部分で低音弦に、Beautiful Dreamerの旋律を弾かせました。奇跡的に良い曲を創ることもたまにありますが、最近特にこういうのが増えました。

 そういうわけでタイトルも付けようが無く、Intermezzo #2として、こちらもごまかしました。22期から連続50回記念だというのに、何といういい加減さ。意外と面白いかも知れませんが、私としては駄作です。こんなのを発表しちゃってごめんなさいm(_ _)m





No.103 Opus103


Allegro ニ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第72期投稿作品>


 Opus103、つまり作品番号103という名の曲です。そもそも何のイメージもなく曲を創るので、タイトル付けは苦手なのですが、今回はアウト。そもそもはA-B-A-C-A形式の予定だったので、○○のロンドという曲名にするつもりだったのですが、最後のAをカットしてしまったため、ロンド形式でもなくなってしまい、手詰まり。ってことで、作品番号103という名前に。もちろん公式作品103曲目です。クラシックの曲なら○○のための××とかでごまかせるのですけど、2台のチェンバロとエレキベースとアコースティックギターとドラムスのための××ではねぇ。

 曲の編成は上に書いたとおりで、2台のチェンバロは、異なる音色を使っています。伴奏はリズムセッションとアコギだけ。アコギの響きがだいぶ強調されているように聞こえると思いますが、それはギターにペダルを設定するという、あり得ないことをしているからです。MIDIだからこそできるいたずらですね。

 曲自体は結構お気に入りなのですが、なにしろ名前がいい加減。こんな事ではダメですね。





No.104 寒い夜


Andante freddamente-Adagietto sognando イ短調−イ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第73期投稿作品>


 今回もいつもの通り難航です。まあ、お題が少々使いづらかったのは事実ですが、それよりも期間が半年と長かったため、夏休みの宿題同様、期日が迫るまで何もしないという生来の怠け癖の方が大きく影響したかと(爆)。そんなわけで大して練られたわけでもなく、作り込まれたわけでもなく、淡々とした内容になってしまいました。

 イ短調の前半部はオルゴールといつものOdinを使って作っていましたが、なんとも寒々しい響きになったので、冷たい感じの音だけを組み合わせてこんな曲になりました。タイトルもこの部分の響きから連想しています。

 その前半部はイ長調の主和音で終わらせ、後半部はがらっと音の質を変え、デチューンしたエレキピアノ、SquarPd8などの暖かい音を中心に組み立てました。これは寒い夜、暖かい家でくつろぎ、うたた寝するようなことをイメージしています。ウッドベースも前半部はピックで弾き、後半部は指で弾くように音を変えています。曲の出来は大した物ではないですが、雰囲気だけは出せたかなと思います。

 この曲は完成後、録音をする際に少しだけヴェロシティをいじりました。というのは音源にヘッドフォンをつないで聞いている時は何でもなかったのですが、CDレコーダーで録音すると、ベースが低い音を奏でるぶぶんで音が歪んでしまったのです。ベースのヴェロシティを下げてもあまり改善しなかったので、Padのヴェロシティも下げ、何とか録音できる状態にしました。普段は音源の出力やレコーダーの入力レベルを調整するだけで解決するのですが、録音にここまで手こずった曲は珍しいです。





No.105 新緑の小径


Allegro affabile 変ホ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第74期投稿作品>


 今回のお題は割と素直でしたので、主旋律は割とすんなり出てきました。曲の半分までは順調だったのですが、その後どうしようとあれこれ悩み、結局こういう形に。あまり捻りはないですが、すっきりした明るい曲に仕上がったと思います。いつものように曲名は最後まで決まらなかったのですが、5月発表ということで、季節感に合わせて新緑の小径と名付けました。

 主旋律にリズムセクション、エレキピアノにジャズギターといういつもながらの編成ですが、悩んだのが主旋律をどの楽器で鳴らすか。色々考えたのですがイマイチで、Honky Tonkもちょっとわざとらし感じでしたが、主旋律パートをそのままコピーし、Panpotを左右に振り分け、左はグランドピアノ、右はHonky Tonkで鳴らしたらこんな感じになりました。Honky Tonkの音量を少し下げ、グランドピアノとHonky Tonkの中間的な音に仕上げています。





No.106 Swallow's Dance


Andante affabile ト長調 6/8拍子


<MIDIでお題拝借・第75期投稿作品>


 今回はお題をまずコントラバスで入力し、和音を付けて”こんな感じで”という構想は早い内から出来ておりましたが、これを曲のどこに埋め込もうかとあれこれ思案した挙げ句、曲の最後に持って行きました。なので最後の最後まで「お題はどこ?」という状態です。で、エンディングに繋げるべくメインの部分を創っていったのですが、テンポの設定を少しずつ上げていき、リズムまで加えたので、コントラバスをやめてエレキベースに変え、結局ポップ調になってしまいました。

 曲はゆったりした6/8拍子ですが、ドラムスが小気味よくリズムを刻みます。旋律はいつものようにシンコペーションを多用し、私らしい雰囲気に仕上がりました。この曲のポイントは途中から入る2管のトランペットです。

 タイトルはいつもの通りです。○○のダンスというのは早い内から決まっていたのですが、さて何の?というところで悩んでしまいました。で、投稿直前になってツバメにしたという・・。トランペットのレガートが何となく空を滑るような感じがしたので・・。なのでヤ○ルトスワローズのことではありません(爆)。





No.107 練習曲?ハ長調


Allegro-Moderato-Allegro ハ長調 4/4−3/4拍子


<MIDIでお題拝借・第76期投稿作品>


 今回はサイトの移転に手こずり、簡単な曲となってしまいました。旧サイトを読み込んで再設計するつもりが、フォーマットがずれまくってどうにもならず、一から作り直し・・って、言い訳です。

 今回のお題は美しいフレーズなのですが、私の足りない創造力では発展させることができず、結局ピアノ一つでやってしまったのですが、曲自体も簡単な物で、手抜きと言われても仕方ない内容。左手はずっと分散和音で、右手も特に凝ったことはしておらず、淡々と進行するのみ。そしていつものようにタイトル付けも難航し、結局練習曲?ってところに収まりました。私は全く弾けないのでこれが練習曲として成立するか分かりません。が、これを本当に弾こうとしたら、悪戦苦闘することになるでしょう。それくらい弾けません。左手と右手で違う動きをさせること自体、私にとっては非常に難しいのです。

 ということで、大した作品ではありません。耳汚し程度でお聴き下さい。





No.108 春の兆し


Allegro ニ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第77期投稿作品>


 第77期のお題は、早い段階でチェンバロを主役にしたいと思い、最初の8小節をすんなりと入力しました。しかしその後の展開や伴奏については全く思いつかず、2ヶ月近く放置状態に。そろそろ仕上げていかないと・・と思った矢先に全体の構想が降ってきて、1日でほとんどの部分を仕上げました。この曲はギターとオルゴール以外、あまりVelをいじっていませんが、手抜きではなく、強弱の付けにくいチェンバロに合わせているに過ぎません。そして、春の兆しというタイトルですが、最近の私には珍しく、曲を創っている途中で付けました。何しろ2018年の1,2月はむちゃくちゃ寒かったもので、早く春になってくれ〜〜〜という切実な想いが。府中で-8.4℃という、観測史上最低温度を記録しちゃいましたからねぇ。

 この曲で一番悩ましかったのは、ドラムスを入れるか入れないか。最後の方まで迷っていたのですが、ほぼ完成した曲を何度かスピーカーで流しているうちに、別に要らないか・・ということで落ち着きました。

 これまでピアノプラグインボードのピアノとエレキピアノは使ってきましたが、チェンバロを使ったのは初めてです。というのもチェンバロの場合はショートストップの使用を擬似的に再現するため、複数のチェンバロ音色を切り替えながら曲を進行させ、左手と右手で異なる音色を使うことが多かったので、ボード1枚につき、1チャンネル1音色しか使えないプラグインボードは使いづらかったというのと、単純にMU2000のチェンバロが割と良い音色だからです。でも今回は、プラグインボードのチェンバロが合っていると思ったのでそれを使い、しかも掟破りのダンパーペダルも使用しております。この音色は好きなのですが、やや伸びが足りないため、ダンパーペダルで補っている形ですが、投稿用はMIDIの標準音に替えてあり、それだと非常にうるさくなってしまうため、ダンパーペダルの設定は全部外してあります。





No.109 花のロンド


Moderato ホ長調 6/8拍子


<MIDIでお題拝借・第78期投稿作品>


 何と、2003年に入力を開始してから実に15年、ついに完成した曲です。本来は曲の中程でトランペットが奏でる旋律でしたが、今回のお題を何度か聴いている内にこの曲に乗っかることに気付き、ようやく日の目を見ることに。放置されていたのは、「何かどこかで聴いたような・・」という理由ですが、同じ高さの音をこれでもかというくらい続ける(最大11回)曲なんかそうはないだろうということで、何かの曲に似ていたらごめんなさいという感じです。

 曲は咲き乱れる花をイメージしており、初期の構想からロンド形式にすることは決まっていたため、タイトルは最近の私には珍しく最初から付いていたものです。主題はすでに出来ていたものを利用したわけですが、第一ロンドと第二ロンドは結構苦労しました。ともすれば一本調子になってしまうので、第一ロンドはマイナー調で、第二ロンドは弦のピッチカートのパターンを変えてみました。

 楽器編成はフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットが各1パート、トランペットが2に弦楽五部です。2003年に入力した当時はトランペットでなくホルンのトラックがあり、他にハープやチェレスタの指定もありましたが結局使わず。第一ヴァイオリン以外の弦はほぼ終始ピッチカートでリズムを刻み、第一ヴァイオリンと木管、トランペットが代わる代わるに旋律を奏でます。そして第一ヴァイオリンとクラリネットに現れる細かな動きは、我ながら「良くできました」です。素材自体は私にとって割と初期の物なので、ヘタクソでしたが反面やる気がみなぎっていた頃の面影を垣間見ることが出来る・・かも。





No.110 仏桑花


Allegretto 変イ長調 2/4拍子


<MIDIでお題拝借・第79期投稿作品>


 仏桑花(仏桑華とも)はブッソウゲと読み、アオイ科フヨウ属の花です。いかにも南国って感じの、華やかさですよね。沖縄では赤い仏桑花が多いようですし、日本人には赤がなじみ深いですが、ハワイでは黄色が人気だそうです。おっと、仏桑花ではピンと来ませんよね。仏桑花とは俗にハイビスカスと呼ばれる花です。なら「ハイビスカス」にしろよと突っ込まれそうですが、以前にHibiscus mutabilisというピアノ曲を創っておりますし、そもそもハイビスカスは本来フヨウ属全体を指す属名でして、ムクゲ、フヨウ、オクラなどもハイビスカスなのですよ。なので正式な和名をタイトルに採用しました。

 曲はハワイアンの雰囲気ですが、旋律は琉球音階(二六抜き長音階、ド・ミ・ファ・ソ・シ)。ということで、主要部はウクレレ、中間部は三線が色を添えています。何年か前にこの組み合わせを思いつき、最初の部分だけ創って放置してあった曲に、今回のお題がしっかり乗りました。割とすんなりとは出来たのですが、二六抜きは難しいですね。四七抜き長音階(ド・レ・ミ・ソ・ラ)は割と馴染みがありますし(スコットランド民謡である蛍の光はこの音階。船村徹の演歌もほとんどがこれ、中山晋平の曲も同様・・というように作例が多い)、音階自体が素直なので創りやすいですが、二六抜きはやったこともないし、レとラという、割と主要な音が使えないという大きな制約があって、とてもやりづらいです。今回のお題も、かつて試験的に創った断片があったので何とかなりましたが、これがなかったらついに連続投稿が途絶えてしまったかもしれません。

 中間部は少々独特で、コードは終始A♭M7だけで通しています。タネを明かせばこの部分のコード進行を考えるのが面倒くさかったからなのですが、それなりに面白い効果は出せたかなと思っております。

 この曲は元々、テンポ96で入力したのですが、最終的には103に上げました。私の曲は微妙にテンポが遅め・・というのは感じておりまして、今回、完成後に何度も聴いている内、ちょっと間延びする感じがあるので少し上げてみようか・・となった次第です。

 まあ、私らしく偽ハワイアンに偽沖縄音楽を加えたような物ですが、楽しんでいただければ幸いです。