U-Maの音楽館

No.051-060



No.051 Praeludium


 Relief Sound Project5枚目のアルバム「Sensibility」(2枚組)のために書いた曲です。優しさは全ての始まり、未来への前奏曲。ゆったりとした主旋律には、そういう気持ちを込めました。この曲はオーボエ、コール・アングレー、ピアノが中心で、他はベースとストリングス及びPadが、軽い伴奏を付けているに過ぎません。シンプルで、余分な音は使わないという、私の原点に返った曲作りを心がけました。





No.052 南風


Moderato ニ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借第38期投稿作品>


 常磐○×センターのイメージです(笑)。これまでもそれらしいフレーズは使ってきましたが、ここまで派手(?)にやったのは初めてですねぇ。とは言っても、例の如くお得意の真似事で、ハワイアンの真髄にはほど遠い代物で・・・。

 この回は難しいお題で、こいつをいかに料理してくれようかと悩みましたが、考えているうちにふと、ギターでグニャグニャに演奏したら・・・と思い立ち、よし、常磐○×センターで行ってみよう・・・と、安易に始めてしまいました。が、途中まで作っておいて、いざその部分になったらしっくり来なくて、作っては消し・・・を繰り返し、結局お題フレーズをベースで演奏することで落ち着きました。ウクレレは初めて使いましたが、調弦すら知らなかったので、ネットでコード表検索して、一応ちゃんと演奏できる(であろう)ようにしました。スチールギターをいかに使っても、ウクレレがないと、常磐(←まだ言ってる)の雰囲気出ないもんね。

 ちなみに先ほどから常磐○×センターと言ってますが、現在では別の名前になっています。常磐○×・・・の方がそれっぽくて良いのになぁ(爆)





No.054 睡蓮(ハンマークラヴィアのための小品変イ長調)


Andante brillante - Lento 変イ長調


<MIDIでお題拝借第39期投稿作品>


 水面に青々とした葉を浮かべ、朝に白や赤の花を開き、夜になると眠りにつく。睡蓮は嶋田の好きな植物の一つです。最初は何となく創り始めたピアノ曲ですが、創っている途中で、睡蓮の浮かぶ池の光景が浮かんできたことから、睡蓮と名付けました。決してあの名画のイメージではございません。最初からそのつもりで創ったものではないので、曲と標題が合っているかは微妙です。

 オオオニバスのような大きな葉を付ける睡蓮もありますが、私は和種のヒツジグサ(未草)のように、小さな葉を浮かべる種の方が好きです。特に白い花が咲き、葉と葉の隙間から水面に反射した光が飛び込んでくるような光景が好きですね。クライマックスではそんな光景を表現してみましたが、はたしていかがでしょう。低音部の旋律に、高音部の速いパッセージを重ねるってのは、私としては珍しい表現手法でしたが。

 一応どんな音源でも再現できるはずですが、MP3の音色は、ストレッチチューニングしたグランドピアノの音を、ステレオサンプリングしたものですので、是非こちらをお聴き下さいませ。





No.055 Chief's Dance (A Step of the BALDMAN)


Vivace ハ短調 6/8拍子


<MIDIでお題拝借第39期投稿作品>


 Chiefとは、ここでは課長という意味で、つまり課長の踊りってこと。毎日のストレスで、髪も淋しくなった課長さん。週末は仕事を忘れ、若い頃のように華麗なステップで踊る。けど・・・

 課長! それは華の中間管理職。
上司は無理難題をふっかけ、その上ネチネチと皮肉を言う。
部下は部下で、仕事も出来ないくせに文句ばかり。
同期の山本君は次期営業部長と噂され・・・。
家に帰れば帰ったで、女房は俺を粗大ゴミ扱い。結婚前は私にベタ惚れだったくせに。
”大きくなったらパパのお嫁さんになるの”・・・なんて言ってたかわいい娘も、今じゃ”オヤジ、臭せ〜よ!”。
そんな毎日ではストレス溜まります。髪も抜けちゃうよね。

でも、そんな課長も、華麗なステップで女どもをキャ〜キャ〜言わせたこともあった。せめて週末くらいは昔を思い出し、踊る、踊る、踊る。

けど・・・当時より20kgも重い体。ギックリ腰にはご用心を。。。

 かなり派手に踊ってますが、少しユーモラスな感じとか、課長の悲哀も出したつもり。中間部はぐっと抑え、課長の華麗なステップを、SEで再現してみました。タイトルはふざけているし、最後はギックリ腰という落ちも付けましたが、中身は割とマジメにやってます。

 実は・・・この曲の原題は”ハゲのステップ”。ある場所に”ハゲのスキップ”ってのがあって、では私はハゲのステップで・・・ってことで、冗談半分で始めた曲なのです。中途半端で放置されていたこの曲に、今回のお題をくっつけて完成させました。が、”ハゲのステップ”というタイトルでは、私のイメージが・・・。ってことで、正タイトルはChief'sDanceとし、副題をA Step of the BALDMANとして、ちょいとぼかしました。





No.056 青空


Allegro moderato ハ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借第39期投稿作品>


 「睡蓮」と「Chief's Dance」を完成させ、さて、次に取りかかるか・・・と思い立った矢先、出てきたのがまたお題の変形バージョン。これを冒頭のテーマに据えて、3曲めに取りかかることに。で、わずか1週間で完成したのがこれ。私としては異例の速さで完成した曲です。今回のお題で創った他の2つは、作りかけの曲にお題を乗せたので、最初からそのつもりで創ったのはこの曲だけ。ただ、冒頭のテーマは音の並びはお題と同じとはいえ、リズムは全然違う。ということで、中間部でジャズギターに本来のリズムでお題を演奏させました。

 軽やかな主旋律はオーボエに任せたのですが、いつもの音(MU2000のHeinzという音色)ではなく、SD-20のソロ用の音色を採用しました。Heinzは透明感のある美しい音ですが、こちらは暖かみのある柔らかな音。このメロディーにはこっちの方が合っていると思って、珍しくSD-20を使ったわけです。これまでは古風な舞曲ニ長調とWonderPerfumeだけがSD-20仕様で、これで3つめ。考えてみれば全部お題曲だ。けっこう魅力的な音が揃ってますので、たまには使っていきたいですね。

 あまり凝った作品ではないですが、意外にも(?)今回の3曲の中ではこれが一番のお気に入りです。曲名は軽やかで清々しい感じから連想したものです。





No.057 紫陽花


Andante elegiaco ニ短調 3/4拍子


 紫陽花が咲き並ぶ小道の脇の小さなアパート。私はそこで、愛する彼と一緒に暮らしていた。決して豊かではなかったけど、とても幸せだった。でも・・・、もう何年経つだろう。6月のある雨の朝、彼の姿は私の前から忽然と消えた。捜したって、どこにもいない。しばらくして、他に好きな人ができたようだって、人伝に聞いた。

 悲しかった。辛かった。でも、どんなに悲しくても、辛くても、あの人を憎めない、恨めない。それどころか、今でも愛している。忘れたくても忘れられない。

 戻ってきてほしい。でも・・・、きっともう戻らない。ならば、せめてどこかで、幸せでいて。

あの人の好きだった紫陽花。この季節が来るとまた、あの人のことを思い出す。

 って内容の歌ものです。

 原型を創ったのが3年前、切ないメロディーに紫陽花の詞を付け始めたのが2年前。去年の今頃には完成させたかったのですが、詞を書いては消しを繰り返し、一向に進まず。今年に入っても相変わらずで、2週間前まで同じ事の繰り返し。でも、何とか詞を完成させ、一気にアレンジし、ギリギリで今年の季節に間に合わせました。最初に付けた詞とは、相当違ってしまってますが、冒頭に書いたイメージは変わっていません。この程度の詞を作るのに2年もかかるなんて・・・文才の無さが恨めしい。でも、詞の中に「移り気(紫陽花の花言葉)」という言葉を入れたりとか、ちょっとは考えて創ってます。

 他の歌ものは、歌の部分を何らかの楽器で代用してますが、この曲ではギターの伴奏がほぼ歌メロをなぞっているので、代用ヴォーカルは入れてません。ただし、歌メロよりもギターの方が若干音が多いので、楽譜を参照してください。きっちりメロディー通りに言葉を埋めていければ良いのですが・・・。

 ところで私、そろそろ名前を改めようかなぁ・・・ってことで、嶋田友馬という名に変えようとしたのですが、この詞はやっぱり梨花という名前の方が似合っているなぁ、としみじみ感じ、結局併用することにしました(爆)



紫陽花(作詞:嶋田梨花)

1:雨色の空の下 咲く紫陽花が
  私の心の中を ブルーに染めるの
  あれは今日のよな雨の 降る朝だった
  愛しいあなたの姿 見失ったのは

  何も告げずに 何も残さずに
  ただ甘い思い出だけ 肌に残るの

2:あんなに愛したのに 今は何処
  移り気なあなたのこと 今でも想う

  いつか私の 処(もと)へと帰ると
  儚き夢を抱いて 幾年月

  あなたの好きな
  花だったよね
  鮮やかに咲く
  紫陽花の花

  もう戻らないこと 分かっているよ
  せめて幸せでいてと 花に祈る

  Ah------------------------





No.058 秋風のミュゼット(Musette de la Brise)


Moderato イ長調−イ短調 6/8拍子


<MIDIでお題拝借・第40期投稿作品>


 一口で言えば、嶋田流現代版ミュゼットです。ん? ミュゼットって何? ってことで↓に。

【ミュゼット】

@フランスの民族楽器で、バグパイプの一種。バロック時代の宮廷で流行した。また、ミュゼットで演奏するための曲も、しばしばミュゼットと呼ばれる。

Aミュゼットの響きを模倣した曲を指す。ミュゼットのドローン音(低音部の持続音)を擬似的に再現するため、バスは一定の音型を終始奏でることが多い。

Bシャリュモー(オーボエに似たフランスの民族楽器)を俗にミュゼットとも呼ぶ。

 本来はもちろん@を指しますが、この曲はAの意味でミュゼットという名を付けました。この曲の最大の特徴は、チェンバロの左手が終始同じ音型を繰り返すことにあり、それがミュゼットのドローン音の模倣に当たります。もちろんこれは私の創意ではなく、F.クープランの「タヴェルニのミュゼット」という曲がヒントになっており、バスの音型は全く同じ(この曲では後半で倍速にしてますが)です。もちろん旋律は私の創作ですが、チェンバロという楽器の特製を考慮し、おびただしい装飾音を付けました。

 本当ならばチェンバロ一台で創るところなのですが、少し広がりを持たせるため、ドラムス、エレピ、ウッドベースを加えてみました。ウッドベースは3弦の開放弦をずっと弾き続けるという単純なものですが・・・(^_^;)

 私としては挑戦だったのですが、意外と面白い作品に仕上がったかな? 何はともあれ、バスがずっと同じ事を繰り返すというのは、聴き慣れない方にとっては新鮮かもしれませんね。タイトルの”秋風”というのは、何となく涼しげなチェンバロの響きからの連想です。曲自体は7月初め、冷房もない暑〜い部屋でせっせと創作したんですけど・・・(きっと涼しい秋風が恋しかったのでしょう)。

 この曲はお題を受け取り、試聴した瞬間に浮かび、それから僅か1週間で完成しました。





No.059 気の向くままに


Adagio - Moderato capriccioso - (lamentoso) - Allegretto scherzando ロ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第40期投稿作品>


 気ままに生きよう・・・とかいう意味ではなく、曲自体を気の向くままに創ったのでこのタイトルとなりました(本当のことを言うと、タイトルが全く浮かばなかったからで・・・)。それ故まとまりのない曲となってますが、私らしいと言われればまさにその通りです。最初はA−B−A’の形式にしようと思っていましたが、中間部から最初の雰囲気に戻すことが出来ず、結局別の展開をくっつけました。しかしそれではあまりにも統一感がないので、最初に使った「聞き覚えのあるコード進行」を最後の部分でも採用することで、何とか体裁を整えようと試みたものの、やはりまとまり無いですね(爆)。曲調がころころ変わるし、一貫性もなければ何らストーリー性もない。曲の終わり方も、無理やり終わらせるためにこうなったのです。ジングルベルが鳴るのは単なるその時の気分と思いつきで、別にクリスマスをイメージしているわけではありません。記念すべき第40期にこんな曲で申し訳ないですが、いい加減に創ったわけではないので勘弁してくださいませ。そのまとまりの無さ故に作品の自己評価は低いですが、気に入っていないわけではないです。

 メインとなるエレピはプラグインボードにある音色です。WMAはその通りに録音していますが、MIDIファイルはこの音色をMU2000のプリセットで置き換えています。ただ、このMIDIファイルもほとんどXG専用で、試しにSC-D70で聴いてみたらこれがまた酷い。バランス最悪で音色も変わる。私の曲はたいていそうなりますが、ここまで酷いのも珍しいかなぁ。





No.060 夕暮れの街角


Moderato semplice ハ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借・第41期投稿作品>


 SC-D70で初めて創った曲です。フルートとオーボエの二重奏を中心としたイージーリスニングで、夕暮れ時の気だるい雰囲気やほのぼのとした街の表情、待ち受ける暖かい家といったものを表現しました。伴奏はソフトな感じのエレキピアノを中心としたシンプルなもので、管が奏でる旋律を楽しんでいただければ幸いです。

 何だかんだと色々なものに手を出してますが、やはり私はこうしたクラシカルな表現が一番合っているのかな? こういう曲はスイスイ出てきますし、途中迷うことなく一気に仕上げまで持って行けます。もっとも、、、曲は申し訳程度のコーダが付いた三部形式で、展開的には単純なものですが。。。そのコーダの部分は自分ではなかなか上手くできたと思ってますが、いかがなもので?