U-Maの音楽館

No.081-090



No.081 ノクターン第3番変ト長調


Andante dolcemente 変ト長調 3/4拍子


 いきなり楽想が降ってきたと思ったら、その後も順調に進み、珍しく1ヶ月足らずで完成しました(いつもは数年ほったらかしにしたりするのに)。

 曲は変ト長調の淡々とした主部と、変ホ短調の愁いを含んだ中間部から成ります。左手は終始3連八分音符で分散和音を奏でます。あまり展開が無く、構成的にはあまり凝った曲ではありませんが、自分としてはけっこうお気に入りです。なお、この曲は簡単に弾けることを念頭に創ったのですが、左手は小節の最初の音と次の音がオクターブ以上離れているので、少し忙しいかも。

 音源はいつものPLG150-PFですが、音色はこれまでと違い、StRichSt(ストレッチチューニングしたRich GrandPiano、ステレオサンプリング)を使いました。XG版はGrand Piano KSP(音の高さによってPanの位置が変わるグランドピアノ)で代用しています。





No.082 Native Dance


ニ短調 4/4拍子(一部7/4拍子)


<MIDIでお題拝借 第54期投稿作品>


<オリジナル版>
 54期のお題をどう使おうかと悩んでいた時、冒頭の部分だけ創って放置されていた「Native Dancer」という曲にくっつけてみたら、意外といけたので、やってみました。和太鼓のリズムに、中世ヨーロッパ風ともアフリカ風ともとれる、国籍不明の旋律を乗せていくというやり方でしたが、途中で行き詰まり、さらに東日本大震災の影響もあり創作する気になれず、長期間放置。〆切直前に突貫工事で完成させたという代物です。それ故不完全な作品になってしまいました。こんな作品にNative Dancerという偉大な馬の名前を付けるのは気が引けたので、最後のrを取ってしまいました。

 この曲は当初XG音源で創っていたのですが、どう締めようかと悩んだ挙げ句、思いつきで「いよ〜」を入れるため、GS音源に変更しました。SC-88Pro以上のGS音源であれば、正常に再生できます(VSCの場合はSC-88Proマップにして下さい)。

<Claraさん編曲版>

 その不完全な作品を、お題仲間のClaraさんが、中世ヨーロッパ風にアレンジして下さりました。旋律を変え、フィドルによるドローン(持続低音)を追加。さらにタンバリンが加わっています。Claraさんの音源が私と同じMU2000なので、音源は創作当初に戻りました。GS版よりも太鼓の音がダイナミックです。XG版につき、「いよ〜」は抜けておりますが、この雰囲気には合いませんよね。

 Claraさんがポンポコ亭に投稿されたファイルをダウンロードし、微調整して校了としました。こちらを公式版にしたいと思います。Claraさんありがとうございました。WMAは64kbpsですが、劣化は少なく、十分に聴けると思います。





No.083 昼下がりのカフェ


Andante rusticana ニ長調 7/4拍子


<MIDIでお題拝借 第55期投稿作品>


 昼下がりのカフェで一人、まったりとした時を過ごす。時折物思いに耽りながら。って感じなのかなぁ。タイトルが思い浮かばなかったので、適当に付けてしまいました。特に何かをイメージしているものではなく、思いつくまま、気の向くままに創った曲なので、タイトルはいい加減です。私の場合、けっこうそういう曲が多いです。楽器構成はクラシックギター、フォークギター、ウッドベース、キーボード(ストリングス)、ドラムスという、シンプルな構成です。私は多くの曲にデチューンしたエレピとか、Briteとかを入れるのですが、いつもとはちょっとだけ違う雰囲気にしたくて、今回は自重しました。

 曲の途中でスポット的に変拍子を入れることはありましたが、終始変拍子で押し通したのはこれが初めてです。私はお題を4拍子で使おうと思っていたのですが、どうも間延びしてしまう。ってことで最後の1拍を省略したところ、意外と流れが良かったので、主要部(A)は7拍子とすることに。その後は展開次第で臨機応変にと思っていましたが、序奏-A-A'-B-A-C-A'という構成のうち、Bはすんなりと7拍子で浮かび、Cはちょっと苦し紛れでしたが、結局7拍子のまま押し通せました。厳密に言うと最初の小節は弱起の1拍と3拍子2小節が組み合わさっており、主要部も4分の4+3とか3+4が混在しています。要するに一貫した拍子ではないのですが、あまり変拍子を意識せず、割と自然に流れるような曲になったので、出来栄えには満足しています。





No.084 メリーゴーラウンド


Tempo di menuetto イ長調 3/4拍子


<MIDIでお題拝借 第55期投稿作品>


 こちらはタイトルそのままのイメージです。遊園地なんてもう何年行っていないだろうか? 以前、閉園間近の向ヶ丘遊園に行ったことはあったけど、お目当てはバラ園だったし・・・。浦安ネズミランドだって、一度も行ったことがないという・・・。そんな私にとって、遊園地のイメージはメリーゴーラウンドなのです。絶叫マシーンなんか思い浮かべたくもない・・・。

 昼下がりのカフェが予想以上に早くできたので、もう一曲作ろうかということに。あの曲は7拍子というひねくれた曲なので、もう一つの曲はお題を素直に解釈し、3拍子で使うことにしました。色々思案した上、中間部がなかなか浮かばず、放置されていたこの曲と結びつけることに。

 この曲の主要旋律は、二転三転しています。最初はピアノ曲(メヌエット)のつもりで作ったのですが、ほどなくストーリー性を持った曲の冒頭(オルゴール単独で旋律を奏で、その後回想が始まるという構成)に転用することに。けどこれは予想通り(?)挫折しました。でも旋律が可愛かったので、何とか使おうと試み、結局この様な曲に。主要部を創って3年ほど放置された後、55期のお題と出会ってようやく完成しました。

 余談ですが、メリーゴーラウンドは回転木馬という意味ですが、アメリカでは満塁ホームランという意味もあるそうです。なるほど、確かにそんな感じですね。





No.085 Intermezzo #1


Allegro ヘ長調 5/4拍子


 Intermezzoは間奏曲の意。本来は劇音楽などにおける、幕間に演奏される曲を指します。この曲は1枚のアルバムを作る際に、繋ぎ役みたいな曲が1曲あっても良いかな・・と思い、それを意識して創りました。

 先日は7/4拍子、今回は5/4拍子と、変拍子の曲を立て続けに創ってますが、たまたま浮かんできたギターのフレーズが5拍子だっただけで、わざわざ5拍子の曲をひねり出した訳ではありません。コード進行はパッヘルベルのカノンと一緒ですが、これは浮かんできた最初の3小節がT→X→Yだったので、流れでそうしました。ギターのフレーズはけっこう印象的なのですが、5拍子の旋律ってそう簡単には浮かんでこないので、8小節の単位を繰り返しながら、少しずつ音を重ねていく方式を採りました。本当はもっとさりげない感じにしたかったのですが、終わってみればこんな感じに・・・。私の曲としては少々異色の存在ですが、まあ、聴いてやって下さい。





No.086 面影


Moderato ハ短調 6/8拍子


<MIDIでお題拝借・第56期投稿作品>


 またしても完成間際に、曲の印象からタイトルを捏造(?)しました。そもそも私は明確なイメージ無しに、思いつくまま曲を創るので、こういうことはしばしば。完成間近な曲を何度か聴いている内、「失った恋人を思う日々。目を閉じるとそこには、君の笑顔が・・・。でも、君はもう居ない」というイメージが浮かんできたので、「面影」と名付けました。後半部の明るい旋律が「君の笑顔」に相当します。

 ここで使っているピアノは60's Jazzという音色で、その名の通り、半世紀ほど前のジャズピアノをモチーフにしています。リズムもジャズっぽいイメージもありますが、ジャズ独特のコード使いではなく、特にテンションの掛かったコードは使っていません。そこらへんは私らしいと言えばそれまでですが、何か中途半端な印象。ピアノのクオンタイズをいじればもっと魅力的な曲になったかもしれませんが、〆切に間に合いそうにないので、テンポを少しいじることでごまかしました(^_^;)。もしかしたらそのうち、改訂するかもしれません。

 なお、MIDI-MU2000版では、60's Jazzを、Grand Piano KSPで置き換えております。また、ダミーのGS設定を入れているため、VSC3.2では、正しい音色で鳴ります。SD-20はXG-Liteモードで再生できます。SC-8820ではウッドベースとジャズギターがピアノに化けてしまいますが、2小節目の設定(XG用)を全部消すと、正しく再生されます。





No.088 小さな島


Allegretto ハ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借 第58期投稿作品>


 このお題には参りました。最後の16小節はすぐにできたのですが、曲の締めの部分なので、そこまでどうやって繋いでいこうか四苦八苦。良いアイデアも浮かばず、時間だけが過ぎ、22期からずっと続けてきた連続参加が途絶える危機に・・・。でも、なんとか取り繕ってこんな曲が出来上がりました。その割にはそこそこまとまった曲にはなっていると思いますが・・・。

 ギター(Jazz系)、ベース、ドラムス、ストリングスに、デチューンしたエレキピアノという構成でしたが、どうにも物足りなくて、完成直前にDrawbar Organを入れて色を添えました。結局これが決め手で、少しはましな曲になったと思います。一部、エレキピアノのピッチベンドを動かしているのは、いつものいたずらです。

 タイトルは完成するまで決まらず、いつものようにでっち上げで付けてしまいました(^_^;) 仕事を離れて南の島でのんびり・・・ってイメージが浮かんだので。もっとも私は飛行機に乗りたくないので、南の島と言っても船で行ける小笠原とか青ヶ島あたりかな??? さらに言うと私は北国指向なので、一番行きたい島はアイスランド島(飛行機乗り継いで行くのはこの際目を瞑って)。行ったら二度と帰ってこないかも・・・ですけど♪





No.089 陰鬱


自由な形式 ホ短調


<MIDIでお題拝借 第59期投稿作品>


 今回のお題も難題でした。何度聴いてもこのお題を主題とした曲が思い浮かばない。仕方なく作りかけのまま長いこと放置されていたピアノ曲にお題を乗せることに。これもかなり難航しましたが、このお題に和音を着けることを断念してから何とか進み出し、結局〆切直前にようやく仕上がりました。

 曲は自由な形式で、暗い表情が支配しています。私の曲の中では異質なもので、かなり激しい表情も見せます。お題は曲の終盤でようやく登場し、ほとんど展開させることなく、あっさりと終了してしまいます。曲の出来自体は悪くないと思いますが、お題曲としては最悪の出来かもしれません。





No.090 Bay Cruise


Allegro ニ長調 4/4拍子


<MIDIでお題拝借 第60期投稿作品>


 第22期から投稿を始め、一度も欠席せずに60期を迎えました。10年もの間、良く続いたものです(我ながらすごい)。でもここのところお題曲しか創っていないので、もうちょっと何とかしなければいけませんね。逆に言えばこれがなければ作曲活動も終了・・・ってことになりかねないので、これからも続けていきます。

 今回の曲も例の如く、何らイメージもなく創ったのですが、何度も聞いている内に何となく青い空と海が浮かんできたので、そこからの連想でタイトルを付けてみました。トランペットを使うのは私としては珍しいですが、MU2000にすてきな音色があったので、使ってみました。なお、この音色は元々ある程度表情が付いているので、EXPはあまりいじっていません。他の音源で聴くと、一本調子に聞こえてしまうかもです。