U-Maの音楽館

No.011-020


No.011 ずっとそばに


Moderato affettuoso ロ長調 4分の4拍子


 オリジナルは2002年6月の作品で、飲み会の途中で突然詞と曲が同時に浮かんできました。それからしばらくの間、何も手を付けず、誰とも話さず、忘れないように何度も頭の中で繰り返していたので、それを知らない周りの人からは、さぞかし不機嫌そうに思われただろうな。帰ってからすぐに詞と曲、それからコードを入力し、翌日仕上げました。でもこれが浮かんできたのは、きっとOh! Babyを作っている途中だったからだろうな。曲調はがらりと違いますが、出だしのメロディーはそっくりです。曲はたった3トラックで、歌の代わりのナイロンギターと、伴奏はアコースティックギター、ジャズギターのみです。本当はアコースティックギター一挺で作りたかったのですが、実際に歌わないDTMの環境では少々間の抜けた感じになってしまうため、邪魔にならない程度にジャズギターを加え、音にふくらみを持たせました。すごく優しい感じの曲ですよね。寂しそうな表情は一点たりとも入れたくなかったので、2回だけドミナントセブンスコードを使用している他は、全てメジャーコードで作成しております。作者自身大層なお気に入りで、アレンジ版が3つも存在します。なお、この曲は女性が歌う曲として作ってます。女性が優しい感じで歌うとすごく良いかなって思ったので。  

 ラテンヴァージョンは、Singer Song Writerのアレンジデータを利用して遊んでみました。原曲のアレンジはそのまま残し、さらに4つのトラックを追加しております。ちょっとスランプ気味だったので、こんな事をして遊んでました。サウンドは結構面白いかなと思いますが、詞とアレンジがものすごくアンバランスな気が・・・。

 ボサノバヴァージョンは、ラテンヴァージョンを聴いて下さったK.Kiyonoさんが、「ボサノバとかマンボも合うかもしれません」と仰ってたので、作ってみました。これもSinger Song Writerのアレンジデータを使ってます、っていうか、メロ以外はアレンジデータそのものです。ラテンヴァージョンとの違いは、元のアレンジをほとんど消去している点ですね。ほとんどAC-XGで作ったんですけど、ついに分不相応な音源を入手し、それで最終調整をしました。その際、メロディーパートをフルートに変更してます。買ってきたばかりだったので、全く音は作ってませんが、リバーブのかかり方とかはさすがだなって思いました。一応歌詞は入っていますが、インストゥルメンタルナンバーとしての位置づけですね。

 なお、オリジナルヴァージョンとラテンヴァージョンのMP3は、MU2000版を載せました。いずれもAC-XG版を元に、音色やバランスを少し変えただけです。

 ミュージカルヴァージョンは、劇団「マリーちゃん」の主催者より依頼され、ミュージカル用にリアレンジしたものです。その際オリジナルの2ndコーラスに弦の対旋律を重ね、追加した後半部は、その旋律を主旋律に用いています。3分くらいに引き延ばして欲しいという漠然とした依頼だったのですが、そのままの雰囲気で延ばしても冗長になるだけなので、追加部分はクラシック調にし、思いっきり雰囲気を変えてみました。それが良かったのか、随分気に入られたみたいです♪。なお、歌詞は劇に合わせて先方で付けましたので、下の歌詞とは別物です。



歌詞(作詞:嶋田梨花)

1:泣いてなさい そう、悲しい時は
  泣いて、泣いて、泣き疲れて
  悲しいこと みんな忘れて・・・
  僕はずっと そばにいるから

2:微笑みなさい そう、嬉しい時は
  最高の笑顔で 僕を和ませて
  僕は君の 笑顔が好き
  だからずっと そばにいたい

  ずっとそばにいたい





No.012 Oh! Baby


Allegro moderato e semplice ニ長調 4分の4拍子


 2002年6月の作品で、「ずっとそばに」のお兄さんです。こちらは古めかしいフォーク調に、ちょっとだけ華やかさを加えたような感じに仕上げました。今のところ嶋田唯一の男性ヴォーカル曲ですが、歌詞ははっきり言ってクサいですね。よくぞまあ、こんな詞が浮かんできたって感じです。ストレートなラブソングで、気に入ってはいるのですが、照れくさいのでクサいなんて表現をしてます。文才なんて全く無いと思ってましたが、やってみればそれなりには出来るものですね。まあ、もちろんあくまでも素人の域ですが。本当はOh! Babyではなく、Oh! エリーだったんです。でもなんだかパクリっぽいですし、エリー以外にはこれといった名前も浮かんでこなかったのでBabyにすることで手を打ちました。そこの部分だけ他から浮いてますね。 この部分をOh! ○○○(あなたの彼女の名前)に変えると、もっとクサくなりますよ(^o^)

 AC-XGからMU2000に移植する際、音のバランスを中心に変更し、サビの部分が強調されております。ドラムスがわずかに変わっておりますが、音符自体はほとんど原典のままです。



歌詞(作詞:嶋田梨花)

1:君と歩いた 夕暮れの海岸
  波の音は 心地よいBGM
  赤い夕陽が 君の頬を染めた
  さり気ない笑顔が とても素敵さ Oh! Baby

  突然に 君に打ち明けた
  この胸の熱い想い 押さえきれなくて

  君は何にも 言わなかったけれど
  しっかり握った その手のぬくもりが 伝わったよ

2:気が付けば 銀の星輝く
  青い月が 感涙ににじんだ
  空に綺麗な 光の大輪が
  僕達のこと 祝福してたね Oh! Baby

  辛い事も 哀しい事も
  君が側にいる限り 僕は乗り越えられる

  いつまでも 僕の側にいてね
  その優しさで 僕を癒して欲しいよ

  辛い事も 哀しい事も
  君が側にいる限り 僕は乗り越えてゆく

  いつまでも 君の側にいるよ
  不器用だけど 優しく包んで あげるよ





No.013 交響詩「レクイエム」


第1楽章:「愛のレクイエム」 Molto grave ホ短調 4分の4拍子
第2楽章:「死者の歌」 Andantino affettuoso ニ長調 4分の4拍子
第3楽章:「自己へのレクイエム」 Allegretto ロ短調 4分の3拍子 − Andante ホ短調−ト長調 4分の4拍子

 交響詩は通常、単楽章形式ですが、この作品は独立した意味を持つ3つの楽章で構成されております。また、第3楽章はさらにスケルツォと終結部に別れているので、非常に短い交響曲のような形式ともとれるでしょう。しかし、明らかな標題性を有するこの作品には、交響曲よりも交響詩の方が相応しいと考えます。また、「レクイエム」という標題ですが、勿論本来の意味のレクイエムではなく、失われた愛情、過去の忌まわしい自己に対するレクイエムです。また、第2楽章は、死者から生者へと贈る、逆のレクイエムという解釈もできるでしょう。各楽章にはそれぞれ愛情消失による空虚、崇高な愛、自己愛の回復という意味があり、私なりの「愛」ということに対する解釈がぎっしりと詰まっております。また、この作品は、私にとっても転機となりうる作品でしょう。これまでは優しくて綺麗な響きを作ることに終始しておりましたが、この作品では暗く沈んだ表情、金管を使った派手めな響きなどを織り込んで創作しました。これほど重いテーマの曲を完成させたのも、初めてのことです。そういえば短音階の曲も、完成したのはこれが最初ですね。 これを実質6日間で創ったのは、私としては驚異的な早さです。
 
楽器編成
コール・アングレー、トランペット×3、ホルン×2、トロンボーン×3、ハープ、オルガン、弦楽五部、ソプラノ独唱

 木管楽器が極端に少ない変わった編成です。そもそもは弦楽を中心として作曲を進めましたが、終楽章にインパクトを与えるため、金管楽器群を加えた次第です。

第1楽章:「愛のレクイエム」
 愛情という感情を無くした者への哀歌。愛という崇高な感情を失ってしまえば、後に残るのは廃墟のような心のみ。前半は弦のみでカノン風に進行し、後半のコール・アングレーのソロは、例えようのない空しさを表しております。最後はオルガンが加わり、減和音(dim)→増和音(aug)と、不完全に終結します。この不思議な終結は、「愛無くして決して満たされる事はない」という意味です。全体としても少し変な和声を意図的に使っております。

第2楽章:「死者の歌」
 明るく美しい曲調と暗いタイトルのギャップが激しい楽章です。愛の形、心の中に抱く愛情は人それぞれでしょうが、誰もが持つ共通の願い、それは愛する人の幸せではないかなって感じます。たとえ自分がどんな境遇でも、どんなに不幸であったとしてもです。この楽章は、死んだ恋人が夢枕にたち、死という極限状態におかれた魂が、なおも愛する人の幸せを祈りつつ歌うというもの。極めて精神的な世界を私なりに表現しております。「死者の歌」とはそういう意味ですので、タイトルからは想像できないほど美しい曲となっています。文句なしに、私の作品中、最も美しいものでしょうね。

第3楽章:「自己へのレクイエム」
 いきなりオルガンと金管の不協和音から始まります。前半のスケルツォは、過去の自分との戦いと決別を、後半は過去の自分の葬送、自己愛の回復を表します。この楽章は、私自身の願望が最も強く表れた楽章といえるでしょう。最初は金管を入れるつもりではなかったのですが、弦だけでは物足りないので、途中で編成を変更しました。トリオでのアルペジオ(オルガンとコントラバス)は、我ながら格好いい・・かな。スケルツォから終結部へと移るところの減和音や、最後の部分のオルガンもお気に入りです。

成り立ち
 この作品はそもそも、「愛のレクイエム」という、独立した作品となるはずでした。第2楽章は、これとは正反対に、至高の愛を表現すべく、全く別の作品として同時進行しておりました。しかし、「愛のレクイエム」は、すぐに行き詰まってしまいました。暗く沈んだ表現というのは、かなり苦手で、コール・アングレーのソロが終わった段階で止まってしまったのです。一方、「至高の愛(当時タイトル未定)」の方は、順調にイメージが湧いてきましたね。ただ、人を愛する時、純粋な愛情の他に、様々な欲求(煩悩?)がどうしても付きまとってきますよね。それはなにも不純な事だとは思いませんし、むしろ当然のものと考えますが、ここで表現したかったのは、そういった煩悩を一切含まない愛情。では、どうしたらそんな心境になれるのかなって、作っている途中で真剣に悩んでしまいました。あれこれ考えた挙げ句、じゃあ、死んじゃったら、生と肉体の呪縛から解放されたら・・なんてふと思った時、突然ひらめいたんです。この2つをくっつけようって。続きの部分ができれば、「愛のレクイエム」は中途半端でも構わない。むしろそれが味になるかもしれない。そこで最後の減和音→増和音を付け加え、満たされずに終了させ、第2楽章として「至高の愛」を貼り付け、続きを完成させました。また、全体を統一するタイトルとして、「レクイエム」という名を与えました。そして「至高の愛」には、レクイエムに組み込むために、「死者の歌」という標題を与え、解説で述べた解釈(死んだ恋人が・・・)は、後から付けたものです。いずれにしても純粋な愛情という意味は保てますからね。

 しかし、これではまだ終われません。「死者の歌」は綺麗な楽章なのですが、曲全体を締める力はありません。そこで「自己愛」をテーマとした「自己へのレクイエム」を新たに構想に加え、ようやく一つの交響詩としてまとめる事ができました。終楽章をスケルツォと終結部に分けたのは、多分に交響曲の形式を意識しております。楽譜上極端に速い4分の3拍子になっているのは、スケルツォの特徴ですね(ご存じでしょうが)。

Dualヴァージョンについて
 Dualヴァージョンは、YAMAHA AC-XGで作成した原曲を、YAMAHA MU2000用にリミックスしたものです。音符は基本的に変えてませんが、第1楽章の弦とハープの一部で音符の長さを変更し、第3楽章では最後の部分でトランペットが2小節分増えてます。第1楽章と第3楽章は上手く移植できましたが、第2楽章だけはしっくりこなかったので結局移植せず、リバーブ、コーラス、ボリュームのみを変更し、Dualヴァージョンとしました。全体により本物のオーケストラに近い響きを狙いましたので、前のより断然格好いいですよ。

MU2000版
 DualヴァージョンはMIDIファイルとして配布するには不適当ですので、Dualを元に、第2楽章もMU2000に移植したものです。私としてはDualヴァージョンのMP3を聴いて頂きたいのですが、何しろファイルが大きいので・・・。



No.013b 愛の歌


Andantino affettuoso ニ長調 4分の4拍子


 交響詩「レクイエム」の第2楽章「死者の歌」をオルゴール用にアレンジしてみました。元々は別の曲で、こんな感じのタイトルが付く予定だったんです。スランプ気味なので、気晴らしのつもりで・・・しょ〜もない物作ってすみません。 なお、音源は何でも構いません。ピアノ版は、オルゴール用をベースに、表情を付け直し、プラグインボードのリアルな音色で鳴らしました。





No.015 ある田舎娘の場合


Moderato ト短調 4分の4拍子


 この歌の主人公は大学生なのか、それとも就職したのか。とにかく田舎から都会(歌詞では東京となっています)に出て、一人暮らしをしている若い女性です。純朴で大人しく、ちょっと自信なさげな彼女の心の内や恋のエピソードを、下手な詞とアレンジで綴ってみました。Oh! Babyや「ずっとそばに」と同時期に創り始めたのですが、途中で「レクイエム」に着手するなど、色々とありまして、9月までずれ込んでしまいました。

 曲は少し変則的で、第1節−間奏−経過句−カデンツァ風間奏−第2節という構成です。ト短調で全体が暗い表情ですが、最後だけは私らしく締めておりますので、どうか途中で■ボタンをクリックしないで下さいね。本当はシューマンの「詩人の恋」の最終曲、「昔の嫌な歌の数々」のように、少し長めの後奏を付けたかったのですが、何分にもピアノのピの字も弾けない私でして、エンディングがショボくなってしまうので、こんな終わり方にしました。まあ、「田舎者」が作った曲ですので(^_^;)

 MU2000版はヴォーカルパートをヴァイオリンに変更し、リバーブを目一杯かけてます。



歌詞(作詩:嶋田梨花)

1:都会に憧れて
  東京に来たけれど
  私はただの 田舎者

  器量も良くないし
  垢抜けてもいない
  いつも下を向いて 歩いてた

  街角に 咲く華たちを
  横目で見ては 落ち込んでた

  こんな私にも
  愛する人いるけど
  私のことなんて 見向きもしないよね

  ある日突然
  あの人に誘われて
  海岸まで ドライブ

  嬉しかった
  だけど何も言えずに
  ただ景色を 見ていた

2:夜景の綺麗な
  海辺のレストラン
  ルビー色のグラス そっと傾ける

  楽しくないの?
  彼がそう聞くから
  首を横に振って 少し勇気を出して

  何故私 誘ってくれたのと
  聞いてみたの

  そしたら・・・

  彼が言ったのよ
  君が好きだよと  





No.016 冬の岬


Moderato lamentoso イ長調 4分の4拍子


 仕事中にこんな曲が浮かんでくるなんて、何て不真面目な社員なんでしょう(^_^;)。昼休み直前だったのが幸いで、早速会社に置いてあるノートパソコンで打ち込み、帰宅してから詞とメロディーの大部分を完成させ、その後練り直しました。この曲は、詞も少しは自信あるかな。最初(やわらかな日差しを浴びて)に比べると、格段に良くなっていると思います(自己評価)。曲はどことなく寂しさが漂ってますが、全体としては暖かい雰囲気で作ってみました。私の作る歌らしく、結構難しい曲かな。声域が広く、ちょっと高めの声も使ってます。

 この曲にはヴォーカルのみならず、コーラスもふんだんに使ってます。ということで、いつものヴォイス系音色(Choir Pad)が一番かなって思いましたが、この音色(綺麗なコーラス音)だけはAC-XGでないと出せません(つまりは未だMU2000を使いこなしてない)。そのため、最初はAC-XGで作りましたが、他の音はMU2000の方が断然素敵。そこで、AC-XGのヴォイスパートとMU2000のバッキングを同時に鳴らすという方法を採用し、作成しました。AC-XGの音の遅れは、最初の部分で、32分音符1コ分削除し、AC-XG側をわずかに早く鳴らす事によって、上手く解消できました。ただ、これは私の作成環境に合わせたもので、MIDIとして配布できる仕様ではありません。MIDIファイルはヴォイスパートを全てクラリネットで代用したヴァージョン(投稿用に作成したもの)を載せてありますが、嶋田が意図するサウンドは、MP3版です。



歌詞(作詞:嶋田梨花)

1:長い髪が 風になびくよ
  誰もいない 冬の岬

  白い波が ただ打ち寄せて
  海鳥だけが はしゃいでいるよ

  些細な事で 喧嘩して
  あなたのもとを 飛び出して

  一人旅に 出たけれど
  あなたのことを 思い出すだけ

2:見知らぬ町を 一人歩けば
  人のぬくもり 伝わりくるよ

  いつだって 一人では
  人は生きて いけないから

  意地を張るの もうやめて
  あなたのもとへ 帰ろうかな

  動き始めた 列車の窓に
  頬杖ついて 景色眺める

  誰もいない 寂しい岬
  遙か遠くに かすんでく





No.017 Tango , Costa Del Sol


Allegro moderato e semplice 変ホ長調 2分の2拍子


 この作品は、アルベニスのタンゴニ長調作品165を聴いている時にふと浮かんできました。最初は「ムーンライト・タンゴ」というタイトルだったのですが、どう考えても月光よりは南国の太陽というイメージなので、思案した挙げ句Costa Del Sol(太陽の海岸)と名付けました。南スペインの有名なリゾート地の名ですが、特に関係はありません。クラシックギターのソロが中心ですが、何分にも全く弾けないのでどうやったらよいのか分からず、メロディーはすぐに出来ても、表情を付けるのに苦労しました。仕方なくスタイルシミュレーターでビブラートをかけ、所々ピッチをいじってます。まあ、下手なソロでございますが・・・。

 コード進行は単純で、伴奏もシンプルです。メロディーは全く違いますが、伴奏はアルベニスのタンゴをかなり意識してます。音源にはあまり注文が付かないかと思いますが、他の音源でお聴きになる場合は、エレキピアノと弦のパートを、一番ソフトな音色にすると良い感じになると思います。

この作品のリズムについて

 この作品はTangoと銘打っておりますが、お聴きになった方は「えっ、これがタンゴ?」とお思いになるかもしれません。それはごもっともで、この作品のリズムはハバネラと同一で、タンゴとは異なります。しかし、歴史を紐解いてみると、アンダルシア生まれのタンゴとキューバ生まれのハバネラは本来同一のリズムで、タンゴはその後進化して、現在のような曲調へと生まれ変わったようです。アルベニスのタンゴは本来のタンゴのリズムを有しており、私はそれを手本としました。いわば古いタンゴですね。また、メロディー(ギターソロ)もこれまでに聴いたスペインのギター曲を参考にしておりますので、その意味からもスペイン生まれのタンゴ説をとりました。なお、この作品は入力の都合上2/2拍子としておりますが、本来は2/4拍子です。





No.019 休日


Introduction - Adagio 2/2拍子 − Allegro moderato e giocoso 4/4拍子,ハ長調


<MIDIでお題拝借・第22期投稿作品>


 2003年最初の作品です。正月休みに実家に帰省した際、2nd.ノートを持ち込んで作った曲で、Roand VSC 3.2で作成し、戻ってきてからYAMAHA MU2000ExのGSモードで調整しました。XG音源を使っていながらGSリセットが入っているのはそのためで、これを削除するだけで全く違う音になってしまいます。

 この作品はHIRO-AKIRAさんが主催する「MIDIでお題拝借」の第22期に投稿するために作ったものです。たった2小節のワンフレーズを共通の素材として各参加者が曲を作り、それを聴き比べ、楽しみながら互いに参考にし合うという企画です。HIRO-AKIRAさんのページで皆さんの作品と聴き比べると、面白いですよ。私は素直というか能がないというか、お題は主題の最初の2小節で使ってます。今では50期以上連続で参加していますが、始まりは第22期のこの曲だったのです。

 私の作品の中では割と楽しい曲ですね。タイトルは何となく晴れた日曜日、お出かけ前の気分かなと思っただけで、大した意味はありません。ジャンルはポップス系のインストゥルメンタルナンバーで、ピアノとエレキピアノ、オルガン系音色にエレキギターが2つ、ドラムスという構成です。個人的には中間、曲の中休み部分が気に入ってますね。なお、49小節目と82小節目のコードはG7と入力されていますが、正しくはG7♭5(Gセブンス・ウイズ・フラッテッドフィフス:ソ−シ−レ♭−ファ)です。G7b5でもG7-5でもソフトが受け付けてくれないので仕方なく。ここの部分の響きは私としてはお気に入りですが、はたして皆さんの評価はいかに。





No.020 悲しみ、怒り、祈り


Adagio passionato ト短調−Largo affettuoso ト長調  4分の4拍子


 この曲に解説は不要でしょう。嶋田のメッセージを歌にしました。私にはこんな事くらいしかできませんが。



歌詞(作詞:嶋田梨花)

1:
 豊かだった 小麦畑に
 悪魔の作物が 不気味に潜む

 鉛色の 空から
 降り注ぐものは 悪意の雨

 果てしなき この悪夢は
 いつ終わるの?

2:
 緑色だった 草原も
 今はただの黒い 焼け野原

 子供達からは 笑顔が消えて
 人の心も 荒れ果てた

 こんな世界に誰がした?!

Coda:
 世界中の 人達が
 分かり合えるといいね

 争いも 憎しみも
 無い世界が来ることを
 祈る





結婚披露宴用2作品


 2002年7月の末、出勤した際、後輩より「あとでお話が・・・」と声をかけられました。咄嗟に「ついに結婚か?」と思いましたが、まさにその通りでしたね。ところが、その後の一言は全くの予想外でした。

 「結婚式で流す曲を作って欲しい」

 そう言って下さった事はすごく嬉しかったですし、お二人には作品をよく聴いて頂いてた事もあり、その場で承諾しました。でもその半年ほど前まではコード進行すら知らなかった私ですから、正直言って「さて、どうしよう」でした。意外にもNext Stageはすぐに出来ましたが、Present for Youは案の定苦労しましたね。でも、そんな私に声をかけて下さったお二人に、心から感謝しております。この2作品を創作する事が、私自身のステップアップにつながると確信しているからです。

 本来、ここで公開するつもりは無かったのですが、お二人の代理として公開する事としました。



No.014 Next Stage


Allegro moderato ハ長調−変ニ長調 4分の4拍子


 この作品は依頼を受けてすぐ、夏休みを利用して一気に仕上げました。エレキピアノ、ストリングスおよびBowedPadによる心地よいハーモニーと、ギター、チェレスタ、ピアノの低音部が奏でるそれぞれパターンの異なるアルペジオを基調とし、ピアノの高音部とオルゴールがリズムに少しずつ変化を与えながらメロディーを形成しつつ、徐々に盛り上がっていきます。心の中から湧きあがってくる幸福感と、新たなステージへとステップアップしていく決意を、私なりに表現しました。常にメロディーを中心に曲作りをする私としては、一種の実験でもあります。最初はRolandVSC 3.2を用いて完成しましたが、後にYAMAHA MU2000ExのGSモードを用い、若干の手直しをしました。なお、track11のオーバードライブギター(転調以降)は、本物のGS音源ではディストーションギターの方が良いかと思います。





No.018 Present for You


Adagio sostenuto - Andante cantabile - tempo I イ長調 4分の4拍子


 2002年12月5日、かなり期日が押し迫った頃にようやく完成したもので、さぞかしお二人を心配させてしまったことでしょう。Next Stageが終えてからすぐに着手しましたが、10月になって一からやり直したりで、かなり苦労しましたね。主題は何とか創ったものの、その後の展開が全く浮かばず、一ヶ月以上も止まってしまったり。決してスランプだったわけではなく、気分を変えるため他の作品を手がけてみると、あっという間に完成してしまったのもありました。心のこもった作品を創ろうと意気込んでおりましたが、得てして想いが強すぎるとイメージが浮かばないものです。それでも12月1日にようやく中間部のイメージを閃き、後は一気に仕上がったので、内心ホッとしております。

 クラリネットで演奏される息の長い主題は、「末永く」という私自身の気持ちを込めております。この主題は明るさ一辺倒ではなく、ある種の愁いを含んでおりますが、ここで表現したかったのは、披露宴に出席した一人一人に対する、お二人の想いです。

 中間部はお二人の晴れ舞台ということで、素直に嬉しさを表現しました。喜びが最高潮に達したところで華やかなハープのソロが奏でられ、再び主要部に戻ります。主題は弦に移りますが、ここではレガートストリングスにソロヴァイオリンの音を重ね、より厚みのある音色を作ってみました。何度も聴きながら2つの音のバランスを調整しておりますが、違う音源でお聴きになる場合は、そのバランスが崩れてしまうと思いますので、ボリュームを調整して下さい。

 楽器は弦と木管、そして大活躍のハープがメインで、金管は補助的に使用しております。さらに全体に色を添えるため、アタックの柔らかいエレキピアノと、音にふくらみのあるBowed Padを加えました。