No.031-039
Allegro animato ニ長調 4分の4拍子
これをオリジナル曲と言うには少々気が引けます。何しろこの曲は、あの曲のコード進行を元に創ったのですから。あの曲が何かはお聴きになればすぐに分かります。まぁ、世の中これでまかり通っているからいいか。私は普段、メロディーを元に曲を創るので、コードが先にあるっていうのはあまり向いていないですね。でもその割には良くできたかなと思います。これもひとえにあの黄金のコード進行の賜かな?
曲はソプラノサックスとトランペットの二重奏と、私らしいアレンジのバッキングです。タイトルは曲の雰囲気から何となく付けました。
Andante con moto ト長調 4分の4拍子
パッヘルベルのカノンのコード進行を元にカノン風の曲を作って遊んでいるうち、自分風のカノンを作りたくなり、やってみました。とは言ってもパッヘルベルの進行と同じでは能がないので、私なりの進行(下記)を用いています
T−W−U−X−Y−V−W−X7 (G−C−Am−D−Em−Bm−C−D7)
偽バロック音楽です(^_^;) 和声法を全くマスターしていないので、完全無欠な自己流です。コンティヌオもずっと同じパターンの繰り返し、各パートのニュアンスもソフト任せです。つまり手抜きなのですが、まぁ、雰囲気だけでもお楽しみ下さい。なお、GS音源でお聴きの場合は、track 1,2の「0,127,50:Strings 2」を「0,0,49:Strings 1」に変えた方が良いかもしれません。
No.033 破綻(ハンマークラヴィアのための小品嬰ト短調)
自由に 嬰ト短調 4/4拍子
日本経済? それとも日本の政治? 年金? 官僚制度? いえいえ、私の人格です(^_^;) まぁ、実際のところは、会社で「ある仕事(しかもとても重要な)」を担当して(させられて)おり、その仕事をしている時期はイライラしたり、神経すり減らせたり、憂鬱になったりとしているので、こんな曲ができたのでしょう。これも3日で、しかも半分以上は会社で(昼休みにですよ)作りました。会社に置いてあるのはMU15で、MU2000とはだいぶ音が違いますから、音符だけ会社で打ち込み、調整は家でやるという具合です。
曲はハンマークラヴィア(ピアノ)独奏曲で、非常に散文的な作品です。ロ長調の分散和音で始まり、ゆったりと落ち着いた雰囲気で進行しますが、突如として早いパッセージが現れたり、不協和音を奏でたりと、少々いっちゃってます。それはそのまま、私の不安定な気分の表れです。それにしてもピアノ独奏曲作るなんて、嶋田も少しは進歩したなぁ。ごまかしにくいので、GTやVelの調整に気を遣います。
MU2000のピアノ(GM128音中の)は、音の持続が長く、自己主張をしっかりするので少々扱いづらく、これまでほとんど使わず(これ以前の作品では「ある田舎娘の場合」、「ファンタジアU」のみで、他はMU50時代の音を使用)にきましたが、この曲では逆にその特性を利用しました。最後の部分でも、曲が終了するまで、低音部の余韻が持続します。さて、違う音源ではどう聞こえるのでしょうか?
No.034 初恋(ハンマークラヴィアのための小品ホ長調)
Moderato tranquillo - Andantino dolente - tempo I ホ長調 4/4拍子
<MIDIでお題拝借・第28期投稿作品>
50年前の幻想です・・・な〜んてね。自分の遠い過去の記憶でもありますし、乙女の心に芽生えた淡い恋心のイメージでもあります。まぁ、麻疹みたいなもので、誰でも経験することですね。一応私にもあったわけでして・・・。25年前、12歳の頃でした(-。-;)
曲はシューマン風ロマン派ピアノ曲で、三部形式です。穏やかな曲調の中に胸の高鳴りやときめき、そして胸苦しさを織り込んだつもりですが、はたして如何に。今までお題に参加した曲は、曲の中にお題が何度か登場しますが、この曲は1回だけ使っています。そもそもはピアノ組曲「四季」という構想があり、その第1曲「春」として始めた曲で、お題とは無関係でした。でも「夏」と「冬」のイメージが全く湧かず、あえなく頓挫。せっかく始めた「春」を生かすため、単独の曲として練り直している内に、お題と結びついたという経緯があります。「春」の中には初恋のイメージが含まれていたので、タイトルはこうなりました。が、ちょっとはずかぴーです。
この曲はまず、MU2000版を作りました。これはピアノを中ホールの中央に置いて、客席で聴くイメージです。
GM版は完成したXG版を元に、ホールのシミュレートを外し、パンを左右に振り分けたものです。元の楽譜が入っている第1トラックと、ドラム専用の第10トラックを除いた14トラックに音符を振り分け、パンを左右に振ることにより、ステレオ効果を持たせました。
PLG版は、MU2000版をそのまま、プラグインボード・PLG150-PFの音色を使って鳴らしたものです。ステレオサンプリングされた音色なので、何もしなくてもステレオで鳴ってくれますし、なによりリアル感が抜群ですね。前から欲しいとは思っていましたが、かなりの優れものです。これはプラグインボードが必要なので、MP3だけアップします。
Allegro ト長調 6/8拍子
<MIDIでお題拝借・第29期投稿作品>
フレンチポップスのつもりで作ったのですが、ちゃんと出来ているかどうかは微妙です。あまり複雑でないコードに乗って、フィドルとアコーディオンがメロを奏でます。フィドルは至る所でピッチベンドを変化させていますが、クラシックヴァイオリンとは違った味を出すのは結構難しいです。ちなみにフィドルとは、現在ではヴァイオリン(特に民族音楽や大衆音楽などで使う場合)のことです。ただし、この言葉には「馬鹿げた」とか「くだらない」といった意味合いもあり、下手なヴァイオリン奏者のことを「フィドル弾き」と揶揄することもあるようです。民族音楽や大衆音楽ではクラシック奏法と違い、ビブラートをほとんどかけず、グリッサンドを多用し、くだけた感じで演奏することが多いです。これはこれで味がありますね。フィドルとアコーディオンはフレンチポップスの重要な楽器です。
変なタイトルの曲ですが、イメージとしてはソフトクリーム片手にオシャレな街を歩くというものです。「くれ〜ぷ」でも何でも良かったのですが、幾つかの候補を出して、最終的には「可愛い後輩ちゃん」に選んで頂きました。MP3はPLG150-PFのピアノとエレピを使ってますが、このエレピの音は大のお気に入りです。ピアノはちょっと古めかしい感じの音色を使いました。ただ、同時に2つ鳴らせないのが難点です。MIDIはこの二つの音をMU2000のプリセットで置き換えてます。イメージはあまり変わりませんが、PLG版の方が全体的にソフトな響きです。
Adagio - Allegro 変ホ長調 4分の4拍子
最初はピアノソロで、しっとりした曲かな? と思いきや・・・。たまにはハードな作品もと思って始めましたが、結構苦労しました。オーバードライブギターはスライド奏法を想定してますが、これがまた難しい。ほとんど真似事みたいなものでが、全く弾けないものを想像で作ってますのでご勘弁を。ピアノはプラグインボードのChorusMnという音色で、ちょっと遠くで鳴っているような響き、エレクトリックグランドピアノはプラグインボードのCPという音色です。MIDIファイルはこれらをMU2000の音色で置き換えてますが、さほどイメージは変わらないと思います。
Hoist the Flagというタイトルは”旗を掲げる”という意味ですが、ここで言う旗とは国旗とかではなく”自分”。つまり、「自分を掲げて生きよう」という意味です。常に何かに流されるのではなく、自分の信念を持って・・・。つまりは私自身に訴えかけているような曲でもあります。ところでこの名前、馬コーナーをくまなく読むと出てきます(爆)。つまり、そもそもは馬の名前から曲名を付けたという・・・(^_^;) 私らしいですねぇ。
Andantino 変ニ長調 4/4拍子
<MIDIでお題拝借・第30期投稿作品>
毎日ニュースを見る度に、気が重くなるばかり。一向に良くならないイラクの治安、頻繁に起こるテロ、国内でも度々起こる理不尽な事件等々。フセインの圧政が良かったとは言いませんが、体制が崩壊し、今ではテロリストの温床と化している。イスラエルとパレスチナの問題も、これから本当に解決に向かっていくのだろうか? 「むしゃくしゃしてやった」なんて理由で人を殺めるなんて、狂っている。狂った本人が悪いのか、はたまた社会環境がおかしくなっているのか?
毎日平穏に過ごしたい。そんな当たり前のことを全ての人々が享受できれば・・・。そんなことを漠然と思いながら作った曲です。
曲はシンプルな編成で、弦楽合奏、オルガン、ハープ、混声四部合唱(詩はありません)のみ。音色としてDrawber Organを使ってますが、これは柔らかい感じを出したかったため、代用したものです。この曲で最も特徴的なのは中間部で、聖歌のような雰囲気を狙いました。もちろんこの部分は神への祈りということを表しております。ここは長音階でも短音階でもなく、教会旋法の一つ、リディア旋法(第5旋法)によるものです。現在の音階風に言えば”ファ-ソ-ラ-シ-ド-レ-ミ-ファ”という音階で、ファが終止音、ドが支配音となります。長音階と比較すると、終止音と支配音(主音と属音)の関係は全く同じですが、第4音が完全4度ではなく増4度になり、それが独特の雰囲気を醸し出します。
教会旋法はドリア、フリギア、リディア、ミクソリディアと、それぞれの変格(終止音は正格と同じであるが、支配音が異なる)という8種類があり、後にエオリア、イオニアとそれぞれの変格が追加され、12種類となりました。↓に音列を楽譜で示しますので参考にして下さい。音列の各音を下図の音程関係に配列することにより、全ての音を終止音として構成することができます。この曲の中間部は変ト(G♭)を終止音とするリディア旋法で、下図の例よりも半音高くなっています。ほとんど長音階と短音階に集約された現在の音階よりも幅広く、現代の作曲家で教会旋法を積極的に取り入れている人もいます。ご興味があれば、作品に取り入れてみるのも面白いと思いますよ。なお、長音階はイオニア旋法から、短音階はエオリア旋法からそれぞれ発展したものです。
Allegro moderato ニ短調 4/4拍子
<MIDIでお題拝借・第31期投稿作品>
「人は先の見えない不安を抱えながらも、希望を持って未来へと向かう。それはあたかも銀河の彼方へと旅するように」というイメージを持ちつつ、銀河のイメージからきらびやかな音をちりばめました。
開始はDm→Em-5→Faug→Gm→A→A7→Dmという和音の繋がりですが、これはニ短調(和声短音階)のT→U→V→W→X→X7→Tという進行です。ただし、U(Em-5)の部分のアルペジオはEdimになっています。ニ短調和声短音階のU7和音はEm7-5ですから、ここはそうするのが筋ですが、何となくdimの方が良かったのでこちらを採用しました。また、ここでのVは導音を要しないことから、自然短音階的にFでも良いはずで、試してみましたが、ここだけ妙に明るくなってしまうので、Faugに戻しました。単純な進行ですが、色々と試した結果でございます。
主部も私の作品の中では異質です。一応チェンバロ(ハープシコード)が旋律を奏でているのですが、旋律としての明確な性格を持ちません。途中から入るストリングスも、対旋律であることが分かります。間奏と最後の部分だけ、明確な旋律が登場しますが、他はほとんど和音の重なりといった感じです。あるいは歌の伴奏部分だけって感じもしますね。普段は旋律を中心に組み立てる私としては、新しいことを試みたつもりなのですが、はたしていかがなものか? 個人的にはかなり気に入っているのですが・・・。
No.039 ハンマークラヴィアのための組曲「四季」
「春」:Andante cantabile - Andante semplice - Adagio ホ長調
「夏」:Adagio-Allegro feroce - Moderato ハ短調−変ホ長調
「秋」:Andantino dolente - Moderato con grazia イ短調−イ長調
「冬」:Adagio maestoso - Allegro con fuoco - Largo affettuoso ホ短調−ホ長調
<「春」はシューマンの歌曲集「詩人の恋」の第二曲「わたしの涙から」の主題による>
2004年の5月頃着手し、「春」の主題部を入力しつつ、それ以降の構想を練りました。しかし、「秋」はすんなりとまとまったのですが、「夏」と「冬」が全く浮かばず、一度は構想を破棄し、途中まで入力していた「春」を第28期のお題と結びつけ、ハンマークラヴィアのための小品ホ長調「初恋」として独立させました。しかし、昨年の9月、再度これに挑戦し、一から作り始め、半年かけてようやく完成させることが出来ました。「秋」はほぼ最初の構想通りで、「夏」と「冬」は新たに浮かんできたものですが、問題は「春」でした。「初恋」をそのまま組み込むことも考えましたが、元は「春」とはいえど、初恋のイメージに特化させていった曲なので、無理がありました。でもこの曲で春のイメージを使ってしまっていたため、難儀していたのです。
そんな折、たまたま聴いていたシューマンの歌曲集「詩人の恋」の第二曲「わたしの涙から」よりインスピレーションを得て、そこからイメージを膨らませていったのが新しい「春」です(シューマンの主題をそのまま使っているのではありませんが、基本的な音の動きはほぼそのまま踏襲しております)。
その後は「春」、「夏」、「秋」を平行して入力し、3つを一つのファイルにまとめた後「冬」に着手。「冬」は意外と順調に進み、4月10日、遂に完成。最初の構想から一年、再始動から半年と、難産した曲ですが、VelとGTの調整にすごく時間がかかったというのも手こずった理由です。一音一音丁寧に調整したつもりですので、16分近くもかかる長い曲ですが、どうぞお聴き下さい。曲は前期ロマン派の雰囲気ですので、比較的親しみやすいと思います。なお、この曲はPLG150-PFのステレオサンプリングされた音色で作っておりますので、出来ればWMAファイルでお楽しみ下さい。128kbpsではファイルが大きくなってしまうので、64kbpsとさせていただきました。音質的には決して満足できないですが、聴くに堪えないほど悪くはないと思います。
「春」
シューマンの主題を多少アレンジし、テーマとして用いました。三部形式で主部は4/4拍子、中間部は3/4拍子ですが、この曲だけは途中の転調が無く、ずっとホ長調の柔らかな雰囲気で押し通してます。これは春の優しさ、暖かさを、全体を通じて表現したかったからです。一部不都合な部分もあるかと思いますが、全体として平易な曲ですので、よろしければ弾いてみてください。
「夏」
二部形式で、前半と後半が大きく異なります。ハ短調の前半は夏の蒸し暑さと憂鬱な気分、突然の雷雨などを表しますが、やがて気分は高揚し、後半部へと続きます。夏って鬱陶しいけど、なぜか心浮き立ちますよね。後半部は単純に楽しさを表現したものですが、他の部分に比べて凡庸な作りです。
「秋」
二部形式によります。3/4拍子の前半部で繰り返される下降音型は、木の葉が舞い落ちる様を表します。何となく寂しさを覚える光景ですが、それも次の春に芽吹くための準備。そう考えると生命の力強さも感じますね。6/4拍子の後半部は、金色の絨毯が敷かれた銀杏並木や、鮮やかに染まった山々の美しさをイメージしておりますが、ここはショパンのノクターン風でもあります。私としてはこの組曲の中でも一番の傑作だと思っております。
「冬」
変則的な三部形式(A-B-A'でなくA-B-C)ですが、序奏を伴う二部形式ともとれます。最初は冬の厳しさを、次は木枯らしをイメージしておりますが、最後の部分は一転してホ長調となり、ゆったりと優しい曲調に変わります。これは暖炉の前でうたた寝をしながら春を待つというイメージです。