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LEONARDO OFFICINA ITALIANA


LEONARDO OFFICINA ITALIANA(レオナルド オフィチーナ イタリアーナ) イタリア

 2018年、彗星のごとく現れたイタリアの筆記具ブランド。工房自体は、ナポリ近郊の都市・カゼルタに以前から存在していたようですが、廃業したデルタ社からサルバトーレ・マトローネ氏を迎え、氏のプロデュースにより、新たなブランドを立ち上げたようです。

 イタリアらしい、カラフルな樹脂を使った軸が特徴です。日本限定の商品を出してきたり、日本のショップ限定品なども手がけておりますが、それはデルタが日本で人気があったことをよく分かっているからでしょうね。デルタのファンだった方からは注目されましたし、そうでなくてもショーケースに置かれていればかなり目立ちますので、カラフルなデザインが好きな方には喜ばれるでしょう。


FELICE(フェリーチェ)
14Kニブ、ネジ式キャップ、両用式

 日本限定品として2020年に登場したモデル。フェリーチェはイタリア語で幸福を意味するそうです。文字通り、文字を書く時間を至福の一時に、という想いが込められています。キャップ、首軸、尻軸は、高級筆記具には割と珍しい純白の樹脂(アイボリーはよく使われるが、白はあまり使われない)で、金色のキャップリングにはレリーフが施されています。胴軸はエメラルドグリーン、カプリオレンジ、イエラントブルーの3色があります。


        レオナルド オフィチーナ イタリアーナ フェリーチェ イエラントブルー 万年筆 細字

 サイズはデルタのドルチェヴィータミディアムに近く、キャップを閉めた状態ではずんぐりした風貌ですが、キャップをペン尻に挿すと、実に堂々としたサイズ。でもその色使いから、愛らしさもあり、ある意味ではアンバランスですが、そこも魅力なのでしょう。

 書き味は結構硬く、今風の14Kニブです。むしろフローレの大きなスチールニブの方が軟らかいというレビューもちらほら。しかしインクフローは良く、書き味は滑らか。キャップをペン尻に挿し、ペンを寝かせて筆圧を抜いて書けば、硬い感触はあまり気になりません。軟らかなニブを好む方にはお勧めしませんが、私は結構好きです。ペンを立てて書く人にはそもそもあまりお勧めしませんが、キャップを挿さず(ちょっと短いですが)、力を抜いて書けば、使えないことはないです。全般としては万年筆をある程度使い慣れた人が、その美しい軸を愛でながら使うという、マニアックな趣味の領域でしょう。

 個人的にはデルタ ドルチェヴィータ ミディアムの細字が手に入らず、スリムで妥協した(それが超当たり品だったので結果オーライですが)経緯があるので、ミディアムによく似たこのペンが発売されたのはよかったのですが、実際問題として、スリムの方がサイズ的に万人受けすると思われます。ドルチェヴィータスリムのサイズのペンもあれば・・とも思いますが、そうやって手を広げすぎるとデルタの二の舞になる気もするし、こういう趣味の物を作るのはなかなか難しいですね。